花から目が離せない!2009/06/30 23:40


京都から札幌に来て、もうすぐ2ヶ月。故郷とはいえ、21年も離れていたのでとまどうことも多く、季節、風物、行事などあらゆることが新鮮に感じられて楽しくすごしています。

この2ヶ月、身近に見られる花が次々に変わっていて、まさに花の季節です。桜、ライラックに始まり、マロニエ、チューリップ、ニセアカシア。トレイルランニングで走った山の小道には、いままで名前しか知らなかった「ヒトリシズカ」「フタリシズカ」の可憐な花も見ることができました。そしてこの間、1ヶ月以上にわたってずっと空を舞い続け、今ピークを迎えているのがポプラです。

ポプラといえば、北海道大学キャンパスの並木でもよく知られ、札幌にはとても多い木です。ヤナギ科で、花粉が風で運ばれる風媒花。花は目立ちませんが、その後にみのる種は綿毛がついていて、これが風にのって大量に飛んでいきます。真っ白な綿毛がふわりふわりと風に舞うようすは、陽光が輝いているときなど幻想的で見とれてしまいますが、目線を足下におとせば、アスファルトの道の端っこ、そして芝生や土の地面なら至る所に、綿ぼこりのようにまっしろに積もって美観上よろしくありません。
自転車に乗っているときなど、うっかりすると鼻に吸い込んでしまいそうになります。
このところ、外に出ると目がかゆくなり、鼻がムズムズ。アレルギーというほどではありませんけれど、あれだけ綿毛が飛んでいればむずむずしないほうがおかしいというもの。

せっかくスギ花粉から逃れてきたのに~!!!

そろそろ札幌市内の百合が原公園ではユリやバラが最盛期を迎えるのでは。
百合が原公園のユリの写真と公園については2007年7月25日のブログ をごらんになってください。


ニセアカシアとミツバチの話を書くのでした。が、私が何か書くよりも、まずはわかりやすくおもしろい参考サイトと本をご紹介します。どちらも、ライターの仲間でミツバチと蜂蜜を専門に活動されている和田依子さんの執筆です。
和田さんによるサイト「養蜂レポート」
和田さんの著書「庭で飼うはじめてのみつばち」(山と渓谷社)

日本では一般にアカシアと呼ばれ、主要な蜜源として大事にされている木は、本来のアカシアではなく「ニセアカシア(別名ハリエンジュ)」です。マメ科の植物で、根に窒素固定細菌を共生させており、この細菌が空気中の窒素をいわば窒素肥料の形に変えて植物に与えるため、やせた土壌でも繁殖することができます(ちなみに、窒素固定細菌のほうは、植物から光合成産物である炭水化物をエネルギー源としてもらいます)。
マメ科の植物は、窒素固定細菌の共生のおかげで、他の植物が繁殖できないような土地にも定着します。ニュージーランドのルピナスの大繁殖地(2008年12月18日のブログをご覧ください )も同様です。緑化等の目的で導入されたものが、いつの間にか在来の植物の繁殖地も奪ってしまうことがあり、ニュージーランドの世界遺産の一つで人気の観光地でもあるマウントクック国立公園では、地道なルピナス駆除活動が続けられています。

日本のニセアカシアは、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(以下「外来生物法」)によって要注意外来生物リストに挙げられています。高木となるニセアカシアは、葉を広げると日光を遮り、背の低い木や在来種の草が枯れてしまうこと、さらに未だ物質の同定はされていないもののアレロパシーといって他の植物の生長を妨げる物質を分泌しているらしいこともわかっており、害は大きいと考えられています。

【資料】環境省自然観光局のホームページより
要注意外来生物リスト
別途総合的な検討を進める緑化植物
〈ハリエンジュ Robinia pseudoacacia〉
生態系(競合・駆逐、環境攪乱)
砂防林や薪炭材として導入され、良質の蜜源植物としても広く利用されている。しかし、各地の河川や海岸などでは繁茂し、希少植物を含む在来植物を駆逐するおそれがある。影響の大きい場所では積極的な防除または分布拡大の抑制策の検討が望まれる。

近年、栽培果物の花粉交配用のミツバチの不足が深刻になっています。北米等で大問題となっているCCD(蜂群崩壊症)ではないとされていますが、各地でミツバチの大量死や突然の行方不明が報告されています。
くわしくは、上記の「養蜂レポート」最新topic、「元気ですか?日本のミツバチ」をご覧いただくとして、いまミツバチが減少していることの背景には、農薬、病害虫、そして外来植物など、日本の農業や環境施策と養蜂との関係が危うくなっている、ということがありそうです。
いまのところ、ニセアカシアは「侵略的外来種」として伐採の対象とはなっていませんが、一部、伐採が始まっています。現在、ニセアカシアのハチミツは、国内生産量のほぼ半分を占めているそうです。このニセアカシアが伐採されてしまったら養蜂はどうなるのか。ニセアカシアは大気中の二酸化窒素を吸収する能力が非常に高いというデータもあるそうです。一方で、外来種を放置した影響も無視できません。

オーストラリア、ニュージーランドはユニークな生態系の保護のため、入国の際に植物や動物由来の製品等を持ち込まないよう厳しい検査が行われます。私もうっかり、タスマニア島で買った蜂蜜をもったままニュージーランドに入国しようとして没収されてしまいました。お土産として持ち帰ることができたのは、ニュージーランド南島で買ったマヌカハニー、庭で手作りハチミツをつくって売っていたおじさん(ニュージーランド北島にて)から買ったミツバチの巣とプレゼントしてもらったクローバーのハチミツだけでした。

ハチミツには大量の花粉が混じっていて、そのハチミツがどんな花蜜に由来するのかを知る手がかりになります。
我が家のベランダ菜園でも、キヌサヤ、ナス、シシトウなどの花が次々に咲き始めています。8階のベランダに、いつ、どうやって花粉を媒介する虫が来てくれるのか、そわそわしています。

「植物まるかじり叢書」第4巻では、植物の葉の形がどうやってつくられるかを研究している東京大学の塚谷裕一先生にお話をうかがって書いています。キヌサヤの、まるで彫刻のような葉を見ると、わたしもそんな研究がしたくなってきました(写真)。ぴったりと硬く折りたたまれた緑の葉のモトが次第に開いて大きくなり、なかから花まで飛び出すのです!

7月9日(木曜)、10日(金曜)の二日間、東京国際ブックフェアに行きます。
東京国際ブックフェア
この機会に出版業界のいろいろな方にお目にかかりたいと思っています。会場でお会いくださる方のご連絡をお待ちしています。
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企画・編集・一部コラムの執筆を担当しました。JSTによるSSH(スーパーサイエンスハイスクール)運営指導委員として、高校教育の現場で指導にあたっている経験を双方向に生かすことができました。

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