カーリングが楽しかったそのわけは? そして2010年へ ― 2006/02/21 18:47
競技解説と採点基準が曖昧でオリンピックが楽しめない・・・と書いたのはつい1週間前のことでした。その後、三浦豪太さんによる男子モーグルの解説や佐藤有香さんによるフィギュアペアの解説、川端絵美さんによるスーパーG、滑降の解説など、その競技で一時代を築いた人たちによる的確な解説によって、大いに競技を楽しめています。歴史が浅い競技で、とくに日本では選手層が厚くないものでは、解説のスキルや解説者層もまた向上の途上にあると言えそうですが、ここへ来て解説者の力量でまさに見る者をとりこにした、と言える好例に出会いました。カーリングです。
今大会、日本選手がメダルを取れない一方で、カーリングがおもしろい、女子カーリングチームの熱戦がすばらしい、と思っている方は多いと思います。私も遅ればせながらイギリス戦ですっかり魅了されてしまいました。試合を見ることになったのは、悪天候のせいでアルペン競技が延期になったからだったか、何か消極的な理由だったのですが、懇切丁寧な解説のおかげでぐいぐいと引き込まれていきました。
解説しているのは、長野オリンピックのカーリング競技委員長だったという小林さん。これまで、カーリングというのは円の中心に最も近い位置にストーンを置いたチームが得点するということくらいしかわからなかったのですが、作戦の定石、選手の特徴、一投ごとのパフォーマンスの評価、相手の作戦の予想など、ポイントを押さえた解説ではじめてカーリングのおもしろさが理解できました。一見、スローで単調に見えたカーリングというスポーツも、「この一投がゲームを決める重要なショットになります」など戦局に応じたコメントが入ることで、気づけば手に汗握って見入っていました。
小林さんは、日本の選手がよいショットを決めると「いいですね!最高です!」「すばらしい!」と讃える一方、何気ないショットや相手側のミスショットに対しても「テレビでご覧になっている方には簡単そうに思えるでしょうけれども、これを決めることは大変難しいものなのです」と言って選手のパフォーマンスを裏付ける技術があることを強調されます。イギリス戦では、相手チームのスキップが投じた最終ストーンが、あたってほしいところにかすりもせず、するーっと素通りしてしまってゲームオーバー。私は日本が勝ったうれしさと相まって思わず、大笑いしてしまったのですが、すかさず小林さんが「これは1cmの精度で決まるかどうかの局面ですから、このラインへ来たことだけでもすごいことなのだと理解してください」というような言い方をされ、笑ったことが恥ずかしくなりました。対して、昨日のイタリア戦では、日本は先攻ながら攻めに徹してスティールに成功し、見事勝利が決まった瞬間に「やったー!」と何度も叫ぶ場面もあり、本当にカーリングに「愛」いっぱいの方なんだなあ、と思いました。
競技の振興やそれぞれのチームの健闘にまで充分配慮される名解説者を得て、自国の勝敗に一喜一憂するだけでなく、心から試合を楽しむことができました。実のところ、まだカーリングの細かなルールまで理解したとはいえないのですが、これからも注目していきたいと思います。それにしても、NHKアナウンサーが本橋 麻里選手のことを「マリリン」と親しく呼ぶのはなぜ?
フィギュアペアでは、アナウンサーが喋りすぎで、佐藤さんはそれに答えずじっくり技を評価しているような場面もありましたが、今度はアナウンサーの話術に気をとられている私です。
新しい競技といえば、スノーボードクロスもどんでん返しがあって楽しいですね。運も重要な要素のうちで、見ていてわかりやすいのもいいと思います。日本のスキー場でも、スキー・スノーボードクロスの常設コースを造るところが増えるといいですね。
さて2010年バンクーバー大会のエンブレムが1月のプレスレリースで発表になっています。http://www.vancouver2010.com/en
モチーフは、イヌイットの人々が道標や狩猟の助けとして伝統的に作ってきた「Inukushuk(イヌクシュク)」です。岩を積んで作るもので(写真はイヌクシュクを図柄にしたワインのラベル)、イヌイットの言葉(イヌクティテュート)で「私たち人々」の意味を表します。
両手を広げた人のような形をしており、オリンピックでは世界中からの人々をあたたかくお迎えするホスピタリティの象徴として、エンブレムに選ばれたということです。このエンブレムは、同じくイヌクティテュートで「友だち」を意味する「Ilanaaq(イラナック)」という言葉で今後呼ばれます。
レイクルイーズやイエローナイフでも、あちこちにいろいろなイヌクシュクを見たので、うれしい気持ちいっぱいです。イヌクシュクの伝説を書いた本を入手していますので、この本からのエピソードもいずれご紹介いたします。


