トリノオリンピックTV観戦をもっと楽しみたい!2006/02/13 20:41

ウィスラーのゲレンデ内にある2010年バンクーバーオリンピックコースの看板

みなさま、こんにちは。トリノオリンピックが始まりました。TV放映がおおむねゴールデンタイムから未明にかけてということで、関心のある競技の日はどうしても寝不足になってしまいそうです。

開幕早々、女子モーグルを楽しみにしていた私は、夜中まで原稿を書いていて仮眠の後、TVの前へ。予選、決勝とも、上村愛子選手の完璧なコークスクリュー720、里谷多英選手の柔らかなターンという、それぞれのよさを発揮した滑りに、「決まった! 愛子ちゃん金メダル!里谷選手もうまい!」と思いました・・・が、結果はメダルに届かず、上村選手5位、里谷選手15位。エアなら上村選手がだれよりもすばらしかった、里谷選手も入賞できたのではないか、と思っただけなら単なる日本人選手へのひいきなのですが、最終的に上位4名の順位もどうも納得がいかない気分です。私の素人目にはカーリー・トロー選手が金メダル、だったのですが・・・

モーグルの点はターンが50%、エアとタイムがそれぞれ25%ずつといいますが、タイムばかりがずいぶん重い評価になっていたような印象を受けました。また、決勝に進んだ20名のうち、終盤に滑る数名に対してはずいぶん点が甘かったようにも感じました。それまでの選手に対して、点を出し惜しんでいるというか・・・
大技のエアを飛ぶためには、タイムが押さえられるというジレンマがあります。だからこそエア点はエアだけをみて採点し、タイムは純粋にタイムだけを得点に換算する、という方法がとられてよいように思いますが、『どうやら』「このエアに対してこのタイムはかかりすぎ」「タイムをここまで犠牲にするほどのエアではなし」(私のまったく素人的表現です、ご了承ください)という評価が『あるようなのです』。

問題は、「どうやら・・・という評価があるようなのです」と視聴者に思わせてしまうようなTV放送の仕方、解説の仕方なのではないでしょうか。あるいは解説のしようがない、そもそも不透明な採点だということなのでしょうか? 採点法があるのに選手もよく知らない、ファンも知らないという状況だとしたら、一体どこに原因があるのでしょう?

男子スノーボードハーフパイプは、日本人選手4人が全員予選落ちしてしまいました。着地のミスはともかくとして、『どうやら』「着地の方向が次のターンの入る方向に向いていないと大きな減点」のようなのです。つまり、着地で一度横滑りやボードのトップの向きを変える動作が入ると減点。これは同様のことを解説者も言っていたので、おそらくそうなのだと思うのですが、どうして選手たちはエアの高さや回転数と同じくらい、着地の処理にも気を配らないのだろう・・・もしかして、採点ポイントを知らないの?と思ってしまいました。カメラアングルも、空中のシーンをいろんな角度から見せること(アクロバットショーを楽しむような見せ方?)にこだわっていて、スタートからフィニッシュまでの一連の動作を追うことはほとんど不可能でした。解説がないうえにこんな見せ方では、ますます何が良くて何が減点で順位がきまっていくのかちっともわかりません。決勝進出の条件すら、(たぶん番組冒頭で1度くらいは説明されたのでしょうけれども)2本滑ってよい方なのか、合計点なのか、私の見ている範囲では説明されなかったので、ハラハラ、ドキドキのしようもなかった、というまったく不完全燃焼のTV観戦でした。

フィギアスケートの採点基準の変更については、選手の取り組みも含めてTVなどのメディアでも何度も取り上げられています。他の採点競技についても、採点基準を解説してもらえれば、(たとえ日本人選手がメダルを逃したときでも)トリノオリンピックをもっと楽しめるのに、と思います。
競技後のインタビューで上村愛子選手が「どうやったらメダルがとれるんだろう」と言っていました。世界中で自分だけにしかできない、スペシャルの技を成功させれば、メダルがついてくる、と信じて努力してきた上村選手がそんな一言を言ってしまうのは、やりきれない気持ちです。上村選手の演技に点数が出なくてブーイングが起こった、ソルトレイクシティ大会を思い出します。

オリンピックでは、ふだんあまり目にすることのない競技もありますし、このとき以外はスポーツをTVで見ることの少ない人も多いはずです。ふだん以上にていねいにルールを説明してこそ、競技への理解も応援の気持ちも深まると考えます。

選手だけでなく、私の期待も早、4年後のバンクーバーオリンピックへ。
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